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「腐植」が地球を救う!

2024/09/08
  • 食・農業・環境
「腐植」が地球を救う!

進路も速度も千鳥足のような
酔っ払い台風もどっかで消滅し、
9月4日、久しぶりの晴天となり、
またもや暑い日差しが戻ってきた。

そして9月7日は、暦では白露
(露が降りてくる時節)に入った
というのに、メチャ暑い。
米をはじめ、秋の収穫物の出来が
心配になる異様な天候である。

 

このところネタは溜まるいっぽうで、
なかなか書く方が追いつかない。
じつはまだレポートできてない
8月の話が2件残っている。
遅ればせながらではあるけれど、
記録しておきたい。

 

8月2日(金)。
もう一ヶ月以上前の話でお恥ずかしいが、
東京・日比谷図書館コンベンションホールで、
親会社オイシックス・ラ・大地(株)の
「食の未来をつくる生産者の会」主催による
映画の上映会とトークイベント
“ 未来へつなぐ森里海の集い ”
が行われた。

この “ 集い ” は、
2022年2月から始まったシリーズ企画で、
今回が第4回目になる。

上映された映画は、
オーストリアで制作された
ドキュメンタリー作品
腐植土 - 地球を救う忘れられたチャンス』。

農地を守る微生物の世界、
二酸化炭素(CO2)を貯蔵する腐植の
力について、
新しい研究成果と世界各地での実践を
もとに解き明かしている。

もともと炭素の貯蔵庫だった「土」が
近代農業によって炭素の放出源に
なってしまった。
集約農業、機械化、人工肥料、農薬‥‥

CO2 をいかに農地に戻すか。
地球の循環システム(エコシステム)を
回復させる上で、カギとなるのが
微生物の多様性であり、
微生物と動植物の遺体によって
作られる “ 腐植 ” である。
循環型経済の土台は、土、腐植なのだ。

そのためにも、農家こそが
社会の中心にならなければならない。
地球を救うチャンスは、足元にこそある。

日本で配給している
(有)インタービジョンのHPでは
予告編も見れるので、
是非ご覧いただきたい。

https://www.intervision.co.jp/book_movie/dvd_fushokudo.html

 

トークセッションで登壇されたのは、
有機農業の研究者で、
フリージャーナリストの吉田太郎さん。
吉田さんからは、7月に発売された
新著『シン・オーガニック』を
送っていただいたこともあって、
久しぶりにお会いするのを
楽しみにしていた。

講演のタイトルは
「腐植で森・里・海を再生する」。

映画の解説から始まり、
様々な農法や最新の土壌科学の知見を
繰り出しながら、
「腐植」の大切さと、
その土台となる微生物の世界が
語られた。

微生物を理解するには、
微生物同士の相互作用を調べる
社会科学的アプローチが必要だと、
吉田さんは説く。
化学分析を基にしつつ、
相互の関係(つながり)を見つめる
ことが大事だというのだ。

それによって、
生物が共生してきた30億年の
連鎖が見えてくる。
30億年前から続いてきた
「生命のルール」に、
ひとり勝ちは存在しない。

人類はいま、極小生物たちが
織りなす共生ネットワークから
学び直す必要がある。

「腐植」こそが
地球を救うカギである。

「腐植」の力によって、
森(=林業)を再生し、
里(=農業)を再生し、
そこから流れる
健全で豊かな栄養分が
海を再生させる。

吉田さんが長年にわたって
丹念に文献を渉猟し、また
実践の現場を訪ねながら
積み上げてきた有機農業研究が、
大きな地球ビジョンに
統合されてきたという感じだ。

 

最後に、最新の自著を
紹介することも忘れない。

この本を解説するのは難しい。

送ってくれたのは、
農文協プロダクションの編集者、
田口均さんからだったが、
手紙には
「2年がかりの吉田本、
  ようやく完成しました」
と書かれていた。

吉田太郎、渾身の一冊である
ことは間違いない。

次回詳しく、いや、
うまく整理できるかどうか
分からないけど、ご紹介したい。

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