BLOG
エビちゃん日記
- あんしんはしんどい日記
- 日々日々フルーツバスケット
- 食・農業・環境

夏の名残りを残しながらも、
秋らしい風が吹き始めると、
北海道からこいつがやってくる。
当社の主力商品の一つ、
コーン缶詰「もろこし畑」。
トップバッターは、
収穫後すぐに製造に入る
ホールカーネル。
9月20日の第一陣に続いて、
10月3日、第二陣が届く。
合わせて8,500ケース
(255,000缶)。
ほぼ予定通り。
一気に在庫が増え、
これを一年かけて売ることになるが、
支払いは年内に済ませなければならない。
我が社の資金繰りの正念場だ。
キャッシュフローをにらみ、
まあ大丈夫だと判断する
(昔はこの時期、銀行からの借り入れで
凌いだ時代もあった)。
経営には慎重さだけでなく、
楽観主義がないと生きていけない。
この10年で学んできたことだ。
しかも今年のコーンは昨年より出来が良い。
産地を特定するということは、
毎年微妙に味が違ってくることを
覚悟しなければならない。
気候に昼夜の温度差とかが
味に影響を与える。
事前に送られてきたサンプルを試食した際の、
「ああ、今年の方がイイね」
の感想がスタッフから漏れた時の安ど感は、
なんとも言い難い。
昨年産の在庫も何とか消化できていて、
11月中旬には新モノに切り替わる予定。
このあとクリーム・タイプが
7,000ケース入荷する予定。
請求書も一緒に押し寄せて来るけど、
大丈夫。自信をもって
売って参りましょう!
さて、9月の残りの報告を2件、
記しておきたい。
9月19日(木)、
東京は神田・日大キャンパスの教室で
「竹イノベーション研究会」
の関東支部セミナーが開かれ、
竹活用の事例報告の一つとして、
「メンマ開発、その後」を報告した。
セミナーで発表されたのは
8つの事例。
大学の研究や建設会社での活用試験、
竹工芸の新しい地平の広がり、
新ジャンルでの商品開発等々の
報告に混じって、
ニッチな食材であるメンマを素材にして、
少しずつだけど
地域で竹の利活用意識が
広がってきたことを報告する。
地味だけど、食品会社として
できた小さな地域貢献。
そんなお話。
驚いたのは、故郷・徳島から
参加された青年と名刺交換したところ、
高校時代の仲間、生徒会長の
甥っ子さんだったこと。
こんな出会いも嬉しい。
再会を約束して別れた。
次は9月27日(金)。
東京・霞が関の農林水産省の講堂で、
全国有機農業推進協議会主催による
意見交換会が開かれた。
音頭を取ったのは、
全国有機農業推進協議会理事長
の下山久信さん。
例によって脅しのような電話攻勢で
人を集めた。
農政の根幹でもある
「食料・農業・農村基本法」の改正が
5月の通常国会で成立し、
同法に基づく5ヵ年の基本計画
の検討が9月から始まる
(ことになっていたが・・・)。
日本の食と農をめぐる環境が
劣化していく中で、
ここで農政の根本について
しっかり議論を深めないと
取り返しのつかないことになる。
そんな危機感を持つ人たちが、
下山さんの呼びかけに応じて
続々と集まってきた。
農水省関係部局の課長クラスを
ズラッと前に座らせて、
問題提起を行う下山さん。
いつものことながら、
気合入ってる。
下山提言の要点は
次のようなものだった。
第1期から第5期まで
5年毎に計画が更新されて25年、
この間、農地面積・農業者ともに
減少の一途をたどってきた。
なぜこのような事態を招いたのか、
その総括と反省が必要である。
農業予算が国家予算の2%。
これでは自給率の向上や
食糧安全保障は達成できない。
将来の国民の食を守るためには、
予算を増額させないといけない。
農業生産においても、
脱炭素・CO2排出削減の取組みを
加速させなければならない。
輸入に頼った化学肥料・農薬使用を
前提としたマニュアル式生産から、
生命を守る農業(有機農業等)への
転換を急げ。
その他、
有機種苗の推進策が必要、
輸入配合飼料中心の工場型畜産から
有機畜産への転換、
森・里・川・海の循環を基盤とした
農村の活性化、等々。
そして、新たな農家を100万人
育成する大国民運動を展開しようと、
ぶちかました。
続いて、事前に指名してあった
20名の論客が次々と提言を述べ、
あるいは地方の声を伝え、
担当部署からの回答を引き出す。
しかし官僚の答えはほぼ、
「前向きに検討していきたい」
といった鼻白むものばかりだった。
福島から参加された
ジェイラップの伊藤俊彦さんに
二本松の菅野正寿さんも発言。
(発言中の菅野さん、左が伊藤さん)
菅野さんは中山間地農業を
支援する施策を、
伊藤さんは農業資材の安定策を
夫々に訴えた。
農水省は今回の改正において、
環境負荷低減や費用(コスト)を
考慮した価格形成など、
食の生産から加工・流通・小売り・
消費までを「食料システム」と
位置づけ、有機的に連携させる
ことを新たに盛り込んだ。
いまの僕の立場は加工だけれど、
食の安全と農業基盤の安定には
重要な役割を負っていると
思っている。
国内の一次産業を応援し、
地域の環境保全にも貢献したいと
日々模索している者として、
さて、どんな具体的な計画が
示されてくるのか、
今後の「検討」を注視したい。
お問い合わせ
Contact
商品、委託加工、
その他ご不明点につきましては、
お気軽にお問い合わせくださいませ
-
055-974-2236
8:00-17:00(土日祝除く)
- お問い合わせフォームはこちら