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クリを植える青年がいる。

2025/09/25
  • 日々日々フルーツバスケット
  • 生産者・産地情報
クリを植える青年がいる。

まだ断続的に真夏日が続く
異常な9月なのに、
今年もやっぱり
ヒガンバナ(彼岸花)は
彼岸に咲く。

温度と日照時間によって
開花すると言われるが、
僕は今年、確信に至る。
この植物は日照時間を関知
しながら活動している、と。

そのエビデンス(証拠)は?
と問われたら、
こう答えるしかない。
「すんません、エビでやんす」。

失礼しました。

 

今日は9月19日の報告を。

大地を守る会に提案した
無農薬栽培の栗が採用となり、
生産者登録や栽培記録の提出も
済ませたところで、
農産物の仕入れ担当である
市川泰仙(やすのり)くんを
現地に案内した。

販売先のバイヤーを「くん」呼び
するのは失礼極まりないところだが、
彼は僕のほぼ同僚かつ元部下なので、
ここは気軽に呼ばせてもらいたい。

 

栗の生産者は
フルーツバスケットから車で2分。
(有)イワキの若き後継者、
岩城東秀(もとひで)さん。

メインはお茶の生産だが、
ここ数年、栗の木を増やしてきている。
しかも先々代からの無農薬栽培を
しっかり踏襲しての栗栽培である。

写真中央が東秀さん、
右が市川クン。
う~む、、、老けたね。
お互い様か・・・

 

桃栗3年~というが、
栗は本当に3年で実を成らせる。

 

今年の夏の記録的猛暑の影響が
心配されたものの、
ここは標高250m近くあって
「わりと平年並みかな~」
と聞いていたが、
やはり収穫は早まり
生理落下も多く出たようで、
9月には出荷が終るだろうとの事。

結局、大地を守る会の立てた
販売スケジュール(10月に予定)
と合わず、
今期の出荷は見送りとなる。

来年はしっかり調整した上で
実績を作りましょう、
ということになった。

 

食品加工会社の社長
(いや、いま会長)が
なんでこんな青果卸業の
真似事をやっているかというと、
僕には捨てきれない野望がある
のである。

親分(藤田和芳さん)からの
辞令(命令)とはいえ、
この地に来たからには、
近隣から始まり、伊豆半島の
農家を一軒一軒ネットワークして、
環境保全型農業の半島に
育ててみたい。

必然的に加工原料の安定確保にも
つながるはずだし、
加工の受け皿があれば
農家の経済も支えられる。
赴任して11年、
それなりに農家を回ってきた。

 

東秀さんは「ぽろたん」という
新しい品種に注目し、
木を増やしていっている。

実が大きく、渋皮も剥きやすい
品種と言われている。
高速の瞬間冷凍機も備え、
加工の研究にも意慾を示している。

こういう次世代農家を
つなげながら、
伊豆から “ 食のビジョン ” を
創り出したい。

たかが栗というなかれ。

縄文時代の食文化を支え、
住居の建材としても活用された
クリという樹木は、
あなどれない。

国内の栗の産地は
集約化されていっている。
市場はすでに輸入が主になっている。
主産地以外では、耕作放棄が
加速度的に進んでいる。

現代のストレス社会に生きる
僕らはもしかして、
縄文人より退化してしまった
のではないか、という疑念すら
湧いてくる。

 

この地に、数年先を見越して
クリを植える青年がいる。

応援しようじゃないか
 - というより、彼らから学ぶべき
なのかもしれないとも、
思ったりする。

新しい経済は
突然生まれるものではない。
僕ができるのは、
地道な “ 循環の再構築 ”
ってやつだろうか。

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