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エビちゃん日記
- あんしんはしんどい日記
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6月29日のこと。
10年ほど会員になっている
「NPO法人 市民科学研究室」の方から、
一通のメールが届いた。
会員間の親睦を深める目的で、
本を一冊、フリートークで紹介し合う
「ブックトーク 語っていいとも」
という企画があって、
僕に「お願いしたい」というのである。
この団体、その名の通り、
会員には自然科学系の研究者が多くいて、
メーリングリスト間で毎日のように
交わされる情報交換では、ときに
シビアな議論にも発展したりする、
僕にとってはやや「おそれ多い」会である。
入会したのは、大地を守る会時代、
2012年から13年にかけて
計12回開催した「放射能連続講座」
のうち2回、
代表の上田昌文(あきふみ)さんを
講師にお招きしたのがきっかけである。
その後、茨城での放射能対策にも
ご協力いただいた。
そんなご縁で入会した人間で、
会の活動には何ら貢献していない。
新たな情報や知識をいただくのみ
という関係で、10年ちょっと
会員を続けてきた。
いわば教室の隅の席に静かに座って
授業料を払っているだけの、
会員には何ら印象のない存在である。
そんな僕になぜ
突然、白羽の矢が当たったのか。
最初メールを見た時は、
送り先を間違えたんじゃないかと
面食らったほどである。
上田さんが会員名簿を眺めながら、
「こいつだ」と指名した、
としか考えられない。
研究者が多い会員相手に
本の紹介をするって、なんか
人前で裸にされるような心境になるが、
さりとてお断りするのも
礼を逸するような気もして、
二晩ほど悩んだ末、
教えを乞う生徒の気持ちになって
「やってみようか」と腹を括った。
しかし本の選択は、さらに迷った。
結局、いくつかの視点から、
自分が思う “ 広く読んで欲しい本 ”
を10冊ほどチョイスして、
担当の杉野さんという理事の方に送り、
アドバイスをお願いした。
杉野さんからの返事は、
「どれも興味深い。運営会議にかけて
他の人の意見も聞いてみましょう」。
いやはや、
蜘蛛の巣に引っかかった小虫のよう。
ドキドキ感がさらに募る展開だ。
数日後、届いたメールには、
「『土と内蔵』か『原発の教科書』で
お願いしたい」とあった。
で、こちらに決めた。
『土と内蔵』、
副題は「微生物がつくる世界」。
原題は
『 The Hidden Half of Nature 』。
自然の隠された半分、という意味。
作者は二人のアメリカ人。
地質学者であるデイビッド・モンゴメリーと
生物学者のアン・ビクレー夫妻の共著。
出版元は築地書館さん。
僕の好きな出版社ベスト3の一つで、
代表の土井二郎さんとは
一度しかお会いしていないが、
本当にいい仕事をされていると思う。
原著は2016年に出され、
その年の11月には日本語訳が出された。
出版される前に翻訳権のツバを
つけていたと思われる。
僕が読んだのは翌17年の3月。
もう7年前になるが、
今もって色あせないというより、
その価値はさらに高まってきたように
すら思える本だ。
杉野さんに提示した
「いくつかの視点」のなかで、
これは
「私が選ぶ『有機農業入門の一冊』」
としてチョイスしたもの。
有機農業関連の書籍は、
その先駆的古典から理念を説くもの、
専門的技術書から家庭菜園の手引書まで、
今やあまたある。
僕もそれなりに読み漁ってきたが、
いま「入門書としてのお薦めは?」
と問われれば‥‥と自問して、
ここに帰着した。
ちなみに、もうひとつ最後に残った
『原発の教科書』は、
「原発って何が問題なの?」という方
のために何か一冊を、
と考えて選んだものだ。
津田大介・小嶋裕一編。
2017年9月、新曜社刊。
原発の現在、
原発を考えるための4つのポイント、
「核」か「原子力」か、
原発の未来、
と章立てされてあって、
「原発」というものを考える上で
俯瞰的に提示されている点で、
今のところのおススメとして
選ばせてもらった。
よろしかったら、ぜひ。
で、本題
・・・・・は次回に。
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