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エビちゃん日記
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7月4日(木)、モーレツな暑さが襲来。
静岡市では39.3度という記録更新の日となり、
県内で30人が熱中症等で救急搬送された。
そんな暑さ(&冷たい職員の視線)を背に、
正午過ぎに会社を出て、北海道に向かう。
もちろん仕事です、ミッションです、
避暑ではありません。
函南-熱海-横浜-羽田空港と経由して、
フライトは羽田の混雑で遅れ、
夜7時、旭川空港着。
これまた補助席も埋まるほど満席のバスで、
JR旭川駅まで約35分。
仕事は5日の朝からなので前泊としたのだが、
昨今はどこも宿代が高くなっているのに驚く。
ネットで探して、空いていた中で一番安かった
古いビジネスホテルの、狭い和室部屋でも、
素泊まり・税込みで一泊1万円かかった
(ひと昔前の感覚では4千円クラスか)。
4年前に改定した社内規程では、
遠距離出張の宿泊費は上限1万1千円まで
としたのだが(その前は7千円だったか)、
時期と場所によっては、
それすらだんだん危うくなりつつある。
お上はやれ「給料を上げろ」とうるさいが
(これでも頑張って上げてるけど・・)、
あらゆる経費が上昇するなかで、
「どうせぇっちゅうんや」というボヤキも、
つい出てしまう。
今後は安いゲストハウスなんかも
視野に入れないといけないか・・・
8時半を回り、
食事をしに旭川の街に出る。
一人出張の際の、僕の唯一の楽しみは、
「居酒屋探し」である。
ネットで探すことはあっても、
決めるのはあくまでも歩いてから。
店の名や看板・佇まいから、勘で選び、
暖簾をくぐる。
これで昨今は、ハズしたことがない。
お品書きを眺めて、日本酒を探す。
純米のイイ酒が冷やされてあって、
出てきたお通しで、
丁寧な仕事をする大将だと思えれば、
当たり! である。
「旭川の酒でおススメある?」
- で、出されたのがこれ。
純米酒「開拓魂」だと。
明治25年、
旭川兵村に4百世帯2千3百余人の
屯田兵とその家族が、
北方の開拓と防衛の任務として
入植しました。
深い森と不毛の原野を拓き、
8年ほどで農業用水をはりめぐらし
水田づくりを進めました。
その努力は「上川百万石の礎」と
呼ばれています。
北海道旭川市発祥の地
「東旭川」より、
先人の開拓魂を受け継ぐ
JA職員の手によって育てた
「きたしずく」を、
当時と変わらぬ大地の恵みで
そのままお酒にしました。
(裏ラベルより)
米生産者-東旭川農業協同組合
製造者-高砂酒造株式会社
辛口で雑味のない、
キレのいいおい酒で、満足。
お代わりし、青森の「陸奥八仙」も
一杯いただいて、軽いほろ酔いで後にする。
しかし、、「開拓魂」はいいけど、
「不毛の原野」はやめてほしい。
そこにも気候に合わせた生態系があって、
けっして「不毛」だったワケではない。
その自然を、ヒトの都合で改変したのだ。
当時の決死の覚悟はともかく、
振り返って語るには、謙虚さも欲しい。
さて、仕事である。
翌5日(木)朝9時始動。
ある研修会に参加するため旭川駅に向かう。
研修会の目的は、
北海道で小麦と大豆の有機栽培を拡大する
農業法人を視察し、生産者とともに、
今後の有機農業の可能性を学ぶ、というもの。
主催したのは、一般社団法人
「日本有機加工食品コンソーシアム」
という団体。
3年前、農水省は
「みどりの食料システム戦略」を策定し、
有機農業を日本の耕地面積の25%、
100万haまで拡大する目標を掲げた。
しかし日本の有機食品市場は、
今もって伸び悩んでいる。
その一つの原因として、
国産・有機を原料とした加工食品が少ない、
つまり受け皿が弱い、
ということが挙げられている。
農家・企業・団体が垣根を超えて連携し、
情報や物流をネットワークさせ、
加工品開発を加速化させていくことが
求められている、と。
その実現に向け、昨年春に結成されたのが
上記の「コンソーシアム」である。
特定の目的のために集まった企業連合、
といった意味合い。
事務局は、関西から四国にまたがる生協、
コープ自然派生協連合が務めている。
この「コンソーシアム」の代表を務める
佐伯昌昭さんとはじつに古く
(コープ自然派という生協が作られる前)
からの付き合いで、
いえ、決して「友だち」ではなく(笑)、
何とはなく「腐れ縁」的な関係で
今日まで来ている方。
その佐伯さんから
「有機小麦の受け皿を広げたいんよ」
と入会を迫られたのがきっかけだが、
僕も有機を広げるために「何とかしたい」
とは思っていたことで、とはいえ
ウチは主に果物がベースの加工会社である。
とりあえず「賛助会員」として
スタートすることにした。
そんなワケで、この時期に
北海道に来るのは金のかかる話なんだが、
なにかヒントでもつかめれば、の思いで
参加することにした。
朝9時50分。
JR旭川駅北口ロータリーに集合した
のは20数名ほど。
チャーターバスに乗り込んで、一路、
比布(ぴっぷ)町に向かう。
約1時間弱で到着したのは
「有限会社 営農企画」さん。
家族農業で、100haもの圃場で、
有機の小麦・大豆栽培を実現させた
スゴ腕農家である。
到着時にはすでに、
地元農家やJA職員、研究者など
大勢の人が待ち構えていた。
北海道の「開拓魂」。
これからは「有機の拡大」へと
向かえるか。
以下、続く。
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