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エビちゃん日記
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5月を振り返り、
この報告もしておきましょうか。。
5月12日(月)、
我が社から車で20分ほど、
伊豆の国市原木(ばらき)という
地区の田園地帯の一角で、
高設栽培でイチゴを育てる
農家を訪ねた。
訪ねたというより、
大地を守る会が
新人さんの研修も兼ねて
この農園の取材に入るというので、
僕も多少のお付き合いが
あったもんだから、
「じゃあ俺が案内するよ」と、
しゃしゃり出たのだった。
農園の名前は、
ジュン・サンベリーファーム
という。
農園主である
藤尾純&純子夫妻とは、
2019年の2月、
地元信用金庫主催の
食のセミナーで出会った。
聞けばオイシックスに
イチゴを出しているという。
ただ上の写真にあるように、
栽培方法は土耕ではなく、
棚をつくって育てる
高設栽培ということもあって、
当時の大地を守る会の基準には
合致せず、
取引に発展することは
なかったけのだけれど、
純子さんは食や環境の活動に
積極的に参加する活動派で、
19年10月に沼津市で開催した
『「おだやかな革命」上映会』
の集客にも協力いただくなど、
社会活動のほうで
お付き合いするようになった。
面白い縁だと思う。
で、夫・純さんはというと、
農薬・化学肥料の削減と
美味しいイチゴの両立を
ひたすら探求してこられ、
ついに今年、
大地を守る会および
らでぃっしゅぼーやでも
取り扱いが始まった
というワケである。
有機農業の論理では、
土づくりをベースとした
土耕が原則だが、
これからの農業においては、
若者たちが継いでいくためにも、
品目によっては
こういう栽培様式も
視野に入れていく必要がある
のだろう、とも思う。
もちろん純さん夫妻は、
有機農業の理念も
ちゃんと受け止めた上での
取り引きの開始である。
かつて純子さんに
「ウチは高設だから
(大地には)ダメよね」
と言われ、こう答えたのを覚えている。
「大地を守る会の基準の根本は
生産者の姿勢、人です―」と。
その姿勢によって技術も進化し、
こうやって生産物も通じた
お付き合いになったことを、
嬉しく思う。
オイシックス・ラ・大地(株)に
入社したばかりの研修生たちに、
栽培方法を丁寧に説明するのは、
まだ若い栽培管理主任の
中山祐菜さん(写真右端)。
アブラムシにはアブラバチ、
ハダニにはチリカブリダニ、
アザミウマにはリモニカ、
ホコリダニにはスワルスキー
(ともにカブリダニの一種)、
うどん粉病対策はバチルス菌、
やっぱ納豆菌は強いですね
(バチルス菌は納豆菌の一種)
・・・と、
病害虫に対する
天敵や微生物資材の名前が
スラスラと出てくる。
いかに細かく観察して
農薬に頼らない対策を
講じているかが推測される。
鍛えられてるな、と思った。
ジュン・サンベリーファーム
のイチゴは、苗の定植後は
基本的に農薬は使わない
(使った場合はお知らせする)。
化学肥料も慣行の半分以下に
抑えるというレベルにまで
到達させている。
「じつは純子が農薬ダメでぇ、
農薬撒いた日ぃは
ハウスには入れん言うもんで、
ほらもうこっちも必死ですわ」
と語る純さん。
農薬削減の原点が
家庭平和維持のためというのは、
何よりの証紙かもしれない(笑)。
栽培土に使う堆肥は
「企業秘密」とのことだったが、
純さんは資料を渡してくれた。
窒素原は有機ベース。
「(コスト)高いんじゃない? 」
「はい、高いです」。
こういうとき、人は目で語る。
大阪出身の純さんが
ここ(伊豆の国市)に
たどり着いたのにはワケがある。
もとは技術者で、
じつはイチゴの高設栽培の
施設設計をやっていたのである。
その普及の途上で、静岡の
「紅ほっぺ」という品種に出会い、
自分で作る決意をし、
栽培の修行を経て、
この地でイチゴ農家となった。
甘みを追求して
新しい品種が次々と登場する
イチゴという激戦市場にあって、
純さんが今も
「紅ほっぺ」にこだわるのは、
その甘みと酸味のバランスにある。
毎年いろんな品種を試作しつつも、
彼が帰着するのは、
やっぱり「紅ほっぺ」だと。
こういう姿勢も、僕は好きです。
育苗のベッド。
こうやってランナー(茎)を伸ばし、
新しい小枝? を苗とする。
ハウス内では、授粉用の
働きバチが飛び交っていた。
ジュン・サンベリーファームで
働くスタッフは8人。
みんな若い。
農業の次世代を育てるのは
国家的課題になってきているが、
こういうところには
集まってきているのである。
この意味を考えたい。
純さんが言うには、
収穫したイチゴの揃え方で、
誰の作業かが分かるという。
取材のカメラマンが
バチバチ撮る後ろから、
スマホで一枚。
残念ながらこの日は
純子さんには会えなかったけれど、
「ウチのゴリ」(夫のこと)は
素敵でしたよ、と伝えたい。
また寄らせてもらいますね。
ジュン・サンベリーファームの苺。
大地を守る会での
評価が得られることを願う。
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