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コメ騒動の真相教えます-『通販生活の学校』から

2025/10/29
  • 食・農業・環境
コメ騒動の真相教えます-『通販生活の学校』から

夏から一気に晩秋にワープ
したかのような気候の変化に、
戸惑っている方も多いことかと。
秋らしい秋が恋しいですね。

庭から道路にせり出した
ご近所の柿の木は、
見た感じほぼ例年通りの実を
成らせています。
しっかりと季節は
感じ取っているのか。

この辺は熊が出るとは
考えられない場所だけど、
裾野市や御殿場あたりには
出没しているらしいので、
要注意。
どうか放ったらかしは
やめてほしいところです。

 

今回は10月25日(土)の話。
久しぶりに新宿に出向いたので、
その報告を。

新宿駅南口から徒歩約10分。
随分と久しぶりだったので
一度道を迷ったけど、
遅刻せずに到着したのは、
カタログハウスさんの本社。
言わずと知れた
『通販生活』の会社である。

この地下2階のセミナーホールで
「通販生活の学校」というのが
時々開催されていて、
この日は、
「コメ不足はなぜ起きた!?
 令和のコメ騒動の真相 教えます」
と題して行われた。

 

講師はお二人。
一人は僕らの業界では名の知れた
食と農のジャーナリスト「やまけん
こと山本謙治さん。
そしてもうお一方は、
農業生産法人「ジェイラップ」
(福島県須賀川市)の若き代表、
伊藤大輔さん。
本ブログではもっとも頻繁に
登場した生産団体だと思う。

この二人の名前を聞かされたら、
行かないわけにはいかない。
しかも何を隠そう、やまけんに
ジェイラップのコメを
最初に食わせたのは私である。
埼玉は飯能市の山里にある
自由の森学園から
KO大学に入り、
社会人になったばかりの彼に
大地を守る会のレクチャーをして、
「食べてみろ」とおすすめした。
もう25年くらい前のことだけど。

この日に期待していたことが
もうひとつあって、
福島原発事故後の放射能対策で
連携したカタログハウスの
千葉慶一さん(現在取締役)とも、
久しぶりにお会いすることが
できた。

本業では競合しつつも、一緒に
社会的課題に向き合う
ことのできる相手を得ることは
嬉しく、楽しい。
十数年ぶりの再会だけど、
変わらない「仲間」感を
感じられたことを、
改めて有り難く思う。

ちなみに、
ジェイラップの放射能検査室には、
大地を守る会とカタログハウスから
寄贈された放射能測定機が2台、
いまも仲良く並んでいる。
申し合わせたわけでもないのに、
奇しくも同じ機種である。
これも嬉しい出来事だった。

 

さて、セミナーは、
ヤマケン氏による
「令和のコメ騒動」の背景説明
から始まった。

背景というより「本質」
といった方がいいか、
彼の主張はズバリ!
コメが「安すぎる」ことが
不足の原因だということだ。

2008年に
『日本の食は安すぎる』
出版して以来、
彼の一貫した主張である。
「消費(者)」中心主義で
経済を回してきた日本の
構造は今も変わっていない。
「令和のコメ騒動」は
そうして起こったんだ、と。

「買物(消費)」とは
「投票行動」である。
「生産」はそれに影響され
変化していく。
食料自給率の低さ
(カロリーベースで38%/2024年)
は、その「食べた」結果である。

つまりは一過性の話ではない
ということだ。

しかも気候変動が
大きな変動要因となってきている。
コメだけではない。
牛乳も卵も不安定さを増している。

消費価格に縛られているうちに
生産力は確実に衰えてきた。
農家が「作るより買った方が安い」
という時代になったこと、
それが何を意味するかを
僕らは考えないといけない。

そんな話を受けて、
大輔さんが生産現場の状況を語る。

大輔さんは若い後継者らしく、
稲作経営の現状から将来を、
綿密にシミュレーションしたという。
種苗代から肥料・農薬・燃料・労賃・
機械のメンテナンスと更新費用
(減価償却含め)・水利維持費用
等々、その数字も示されながら、
いまの米価は
ようやっと一息つける価格だという
(それを「高い」といわれると
 やりきれない思いだとも)。

それでも今後のコスト上昇を考えると、
1俵(玄米60㎏)3万でも
将来的には厳しい、と・・

「儲からない儲からない」
と言われながら数十年。
跡継ぎはどんどん減っていった。

問題の根本には、
生産者が価格を決められないこと
がある、それは今も変わらない。

農協から離れ、自ら
コメの出荷価格を決められる力を
つけてきたジェイラップでも、
農家は減少してきている。

その上でさらに
気候変動は水循環を不安定にし、
他国資源と石油に依存する
肥料や農薬・機械は高騰していく。
農水省が言う「スマート農業」
などでは解決できない
大きな課題を、私たちはいま
抱えなければならなくなっている。

大切なのは「消費者の選択」。
それが二人の答えだったか。

単純に聞くと、
それは「お金持ち」でしか
得られない選択のようにも
感じられたかもしれない。

問われているのは
「消費」のスタイルである。
健康と暮らしの土台である
食と環境を守ることを優先し、
ムダな買い物を減らすことだ。

私の今日の食事はどこの
何とつながっているのかを
思い描きながら暮らす。
それを当世では「エシカル」
と呼んだりする。

ヤマケン氏の近著を
参考まで。

ちょっと残念だったのは、
会場から有機農業について
聞かれた際の回答だ。

「有機農業は収穫量が3割減る」
とヤマケンは言ったけど、
それは化学肥料と農薬で増産した
ものとの、豊作時での比較である。

有機農業(自然農法含む)は、
たとえば冷害の年でも
収量は比較的安定して獲れる。
この意味は深い。
なにが未来を保証するのか・・
そこを掘り下げてほしかった。

ま、とはいえ、
『通販生活』が今もブレない
姿勢で続けていることには
最大限の敬意を表したい。

僕も以前は
こういう講座をよくやった
ものである。
このご時勢で、大地を守る会が
消費者向けおコメ講座を開かない
なんて・・・寂しすぎる。

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