logo

BLOG

エビちゃん日記

トップ エビちゃん日記

今年も北海道から「もろこし畑」

2023/09/28
  • あんしんはしんどい日記
  • 日々日々フルーツバスケット
今年も北海道から「もろこし畑」

9月21日。
北海道は十勝地方、更別(さらべつ)から、
今年産の『もろこし畑』ホールコーン(缶詰)、
第一便が到着した。
合計4,000ケース。

これをすべて手で自社のパレットに積み直し、
ラップを巻いて、倉庫に保管する。
これが10月にもう一陣 + クリーム・タイプが2便、
やって来る。
(今年から裏ごしタイプの製造は終了です。)

なんせトウモロコシの収穫は、年に一回しかない。
収穫後、新鮮なうちに一気に製造に入るのだが、
製造に立ち会おうとすれば、直前まで製造日が決まらず、
北海道行きの航空チケットがなかなか取れなかったりする。
(しかも最初の製造は8月。この時期、北海道は高い!)

そんなワケで、製造後の検査が終われば、
1年分が順番にやって来るのである。

この荷下ろしは、我が社では秋恒例の、
おそらく一年で最もキツい肉体労働だろうか。
「苦役」と呼ぶ職員もいる。

そして自社倉庫はパンパンになり、
外部倉庫も借りて保管する。

そして委託工場先から送られてくる請求額が
これまたハンパなく、一ヵ月後から3ヵ月にわたって、
我が社の体力にとってキツい支払い時期となる。

そしてこの時期になると決まって、税理士さんから
「資金繰りは大丈夫ですか~」と聞かれる。

そしてその返事は「大丈夫で~す」と決めている。
どんな大怪我をしていても、
聞かれれば「ウン、大丈夫」と答える、みたいに。。。
社長にとってはここが「苦役」、じゃなかった
「耐えるシーズン」なのである。
ま、今のところ大丈夫だけど。。。

 

原料のコーンは、最も甘いスーパースイート種の
「クリスピーキング」と「H20」。
甘みだけでなく、プリッと歯ごたえの良さが売りの品種。
ただし背丈が伸びるので倒伏しやすい。
収穫前(7~8月)に台風などが来るとヤバい。
我々にはこのトラウマが今も残っているが、
むしろ今年の心配は、猛暑の影響である。

他に使う原材料は、塩と水のみ。
砂糖もクエン酸も使わない。
塩は、赤穂の天塩(あまじお)。

 

今年のサンプルを試食した時の写真。
左が今年産、右が昨年産。

何だ、この違いは・・・と驚いた。
何といっても、粒の大きさが違う。
そして甘みは、昨年産よりあっさりした感じだ。。

今年は北海道もとにかく暑く、
夜も気温が下がらない日が続いたと聞いていた。

昼夜の寒暖差が甘みを増す。
これは同じ禾本科のイネ(コメ)でも言えることだ。
しかも暑くなると、
皮(殻)は実(=タネ)を守ろうとして
厚くなる。 母のようなものか・・・
(結果、コメの場合は実が小さくなり、収量は減る。)

 

人智ではカバーしきれない
自然の摂理の結果として、今年の品質がある。

これを一年かけて、売り切る。
これまでの味をベースに考えられたら、
ちょっと厳しい年になるかもしれないね。

でもそれが俺たちの仕事だ。
たかがコーン缶であれ、その作業を続けることが、
「食」を生産し続ける人々への連帯であり、
国民(=消費者)を守ることにつながっているのだから、
と自分に言い聞かす。

 

この地球におけるすべての人々の消費行動の、
はたまた愚かな争いの、それら諸々の総和として、
僕らは今日の糧を受け取っている。

コーンの粒を眺めながら、年による違いの差を痛感する。
そして、「あいつが作るなら俺は売って見せる」と、
今まで吹いてきたカラ元気的な決意を揺るがせるのは、
恐ろしい勢いで進行する気候変動と、
生産農家の高齢化に耕作放棄地の増加、である。
その背景には、「消費(者)」の無関心化もある、
ように思えてならない。

もしそうだとするなら、
この国はさらに加速度的に劣化していくだろう。

 

一年分のコーン缶詰を背負い、
深い自問自答もしながら、まあとりあえずは、
せっせと食べようと思う。
今年も炎天下の中、美味しいモロコシを作ってくれて、
ありがとう! と感謝しながら。
それが来年につながると信じて-

おっと、「苦役」に耐えてくれた労働者諸君!にも、
(寅さんふうに)「本日の労働、マコトにご苦労様です」

いや、冗談じゃなく、お疲れ様でした。
あとは・・・頑張って売りましょう。

お問い合わせ

Contact

商品、委託加工、
その他ご不明点につきましては、
お気軽にお問い合わせくださいませ