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地震災害と原発

2024/01/10
  • 雑記その他
  • 震災復興
地震災害と原発

新年、出社早々、
酪農王国オラッチェの片隅で、
早くも蝋梅が開花しているのに気づきました。

植物たちは本能的に気候変動を受け止め、
対応しようとしてるのだろうけど、
もしも彼らに人間のような思考と感情があって、
変動の要因(犯人)が何(誰)かを察知して
動植物間でシグナルを送ることができたとしたら、
はたして今、
この地球はどんな様相になっていることだろう。
ヒトはヒト同士で争っている場合ではないと
思い知ることができているだろうか。。。

-とまあ、今年最初の妄想でした。

 

仕事の調子が上がる間もなく3連休。
空を見上げれば悠々と、丹那名物、
たくさんのパラグライダーが舞っていました。
この平和を、有り難いと思います。

 

能登地震から一週間経ち、
死者は168名に達し、安否不明が323名。
各所で3千人以上が孤立状態に置かれているとのこと
(1月8日現在)。

上のような風景を見ると、
平穏な場所にいること自体が
申し訳ない気持ちにもなってきます。

自分にできることは何か思案しつつ
(せいぜい義援金を送ることしかできてなく・・)、
我が事として考えることの難しさも考えます。

 

そんな思いを抱きながら、
改めて実感したことが、一つあります。

珠洲に原発がつくられなくてよかった・・と。

 

能登半島の突端、珠洲市の2ヵ所に、
北陸・関西・中部の3電力会社が共同で
原子力発電所を建設する計画を発表したのが
1975年。
以来、町は推進派と反対派に二分し、
壮絶な争いが繰り広げられる。
お金に絡む疑惑に、選挙の不正なども発覚し、
市長が失職したり、助役が逮捕されたり、
混乱は28年にわたり、
2003年、ついに計画が撤回される。
「原発誘致」とは、例外なく
「お金」で人が分断される構図なのである。

反対派は、党派や政治信条など関係なく、
ふだんは保守的な漁民や宗教者など
多様な立場の人たちのつながりだった。
(僕の田舎でもそうでした。)

 

もし原発ができていたなら、
避難路も遮断されたこの土地で、
どんな事態が起きたことだろうと思う。。。

3.11後、再稼働を進める原発には、
避難計画の見直し策定が求められたが、
どこも絵に描いた餅のようなプランが多いと聞く。
この際、稼働中および再稼働申請中の
すべての原発の「避難計画」を、
改めてリアルに検証してもらいたいと思う。

 

かつて珠洲原発計画に反対した人たちは、
「事故が起きてからでは遅い」と訴えた。
そして未然に、防ぎ切った。

この「遅い」を、
当時はどれだけリアリティをもって
人々は受け止められただろうか。
でも今は、「遅かった」ではすまないことを、
日本人は経験している。
経験しているはずなんだけど・・・

今回の災害の全貌はまだ見えないけれど、
地震列島の、たかがここ数十年の歴史から
だけでも、学ぶことは多い。

 

他人事ではないと、自分にも
言い聞かせたいと思います。
東京にも、いつか来ることです。
不安なのは、次はどこかではなく、
学ばないこと、でしょうか。

 

どうしても原発を誘致したい人に、
お願いしたい。
今や「原発事故は絶対起きない」とは言えない、
というのが、科学者の一致した見解です。
しかも高濃度の放射性廃棄物を安全に、
かつ半永久的に受け入れられる土地は、
今のところ、地震列島・日本には、
ほぼ存在しません。

それでも推進したいと言うのであれば、
どんな事故が起きても、
「他の地域の方々には一切迷惑はかけない」
と宣言してから、また、
「廃棄物は地元で完全隔離します」と、
覚悟をもって、推進してほしい。
いずれも実現不可能なことなのだけれど。。

とにかく、貴方たち(現地)の問題だけではない
ことを、知ってほしい。

ま、今回は、現実として、
捜索中に全員避難指示が出され、
しかし避難経路が閉ざされ-
というような「地獄」が起きなかったことを、
たたかった先達の功績の一つとして
思い返しておきたいと思う。

 

あの美しい奥能登での一刻も早い救助と、
復興へのプロセスが
希望につながるものであることを祈ります。

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