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岩手から神奈川へ、旅した苗木を植える

2015/05/25
  • あんしんはしんどい日記
  • 大地を守る会
岩手から神奈川へ、旅した苗木を植える

先週土曜日(23日)は、
神奈川県秦野(はだの)市でのコナラの植林に参加してきた。
函南から秦野の山まで車で1時間ちょっと。
集合場所は、秦野市森林組合が運営する
「秦野市里山ふれあいセンター」。

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今回の植林を企画したのは、
大地を守る会の自然住宅事業部と
専門委員会「森と木の住まいづくりフォーラム」。

しかしただの植林イベントではない。
遠い旅をしてきた苗なのだ。

起点は、大地を守る会の牛肉のふるさと、
岩手県久慈市山形町(旧山形村)。
ここで毎年春になると、
短角牛の山上げ(里から山での放牧に移す)見学と
植林を行なうツアーが実施されていて、
その植林用コナラなどの苗の手配で協力してくれているのが
久慈市の隣・野田村の中野さんという元営林署(今の森林管理署)の方。
その中野さんの知人で、
やはりコナラの苗を育てておられた方が昨年亡くなられ、
1000本以上の苗が行く先定まらず残されてしまった。
枯らすにも捨てるにも忍び難く、
引き取って植えてくれる場所はないかとの相談が中野さんからあって、
自然住宅事業部でお付き合いのある(株)深建工房さんの仲介で、
秦野市森林組合さんが名乗りを上げてくれた、
といういきさつである。
深建工房さんは神奈川・丹沢山系の杉やヒノキを使って
自然住宅を建てている。

秦野市森林組合さんは昨年10月、
神奈川から岩手の北部まで車を飛ばして、
雪に見舞われながらも苗木1100本を引き取った。

そしていよいよ秦野の森に定植の運びとなった。
秦野といえば埼玉の自宅に帰る途中といえば途中だし、
応援に行ってみようかと思った。

会員さんに深建工房さん、そして
大地を守る会のスタッフ含め、参加者は18名。
まずは会議室で経過や今日の流れなどを確認。
ガイドは生活文化チーム、清水和朋くん。

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続いて森林組合の鈴木研太さんからレクチャーがある。

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コナラはドングリの木の代表選手。
杉やヒノキのように建築材にはならないが、
シイタケの原木や木質バイオマスの原料として活用できる。
10月に岩手から引き取り、一ヵ所に仮植えして維持してきた。
これを今日、杉やヒノキの伐採地に定植する。
天気も良く、「今日は根が活着するのにベストの日です」
と鈴木さんから発破がかけられる。

1ヘクタールに1500本の割合で植える。
植える間隔は2.2m。
山の斜面に植えるので、曲がり方向を山側に向けて植えること。
しっかり掘って、根が土の表面から出ないように埋めて、踏み込む。
踏むことで苗が抜けにくくなるだけでなく、
土の密度が圧縮されて、浸透圧によって根が水を吸収しやすくなる。
土をかぶせたら落ち葉などを敷いておく(保水性を保つため)。

里山ふれあいセンターから山道を車で登ること約20分。
植林地に到着。
標高は527mとのこと。

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注意事項を確認して、いざ植林作業開始。
苗はけっこう大きく、2メートル近いのもあった。
根も広がっているので、それだけ深く掘らなきゃいけない。

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傾斜もきつく、太い根っこや石にぶつかったりするが、
土は柔らかくて掘りやすかった。

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みんな経験者のようで、気合も入っていて、
作業は順調に進んだ。
鈴木さんも「皆さん、なかなかやるじゃないですか」
と褒めてくれる。
それでも2,3本植えたところで汗が噴き出してきた。
ペースが落ち着くにはふた汗くらい必要だ。

親子で木を植える。
この山はきっと特別な山になることだろう。

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北岩手から南関東・丹沢山系まで旅したコナラの苗たち。
人のつながりで森が育てられる。
しっかり根を張って、大きく育ってほしい。

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お昼をはさんで午後2時半くらいまで、
何とか550本の苗を植えた。

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「あとは俺たちでやりますから」と、
残り550本は森林組合の方々の手にゆだねられる。
感謝である。

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作業を終え、みんなで記念撮影。
お疲れさんでやんした。

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ここに岩手からやってきたドングリの森が育つ。
近代のそろばん勘定ではまったく割に合わない作業だが、
山は永遠に水をつないでくれる生命の源である。
人の心の中にも、その種を受け継いでいきたいものだ。

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