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エビちゃん日記

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古代小麦ディンケル

2015/07/05
  • 日々日々フルーツバスケット
  • 生産者・産地情報
古代小麦ディンケル

いやはや、慣れない社長業に右往左往しております。
銀行や法務局に行ったり、年金事務所に呼び出されたり(悪いことはしてません)・・・
おまけに大地を守る会のHPでの連載(大地ヒストリー
に苦しんだりしながら、ブログにたどり着けない日々です。

連載が終わるまでは、週1本が限界でしょうか。
とか言いながら、その連載もいったい何話まで続くのか。。。
どうなることやら、すでに “ 神のみぞ知る ” の境地。

でもって、7月2日(木)は午後から大阪に出張。
まるで逃げるように電車に飛び乗る。
夜、NPO法人「グレインズ・イニシアティブ」代表の山本朝子さんと会い、
打ち合わせや情報交換を行なって、大阪に一泊。
翌3日(金)は、京都にある自然派通販会社「プレマ」さんを訪ね、
ご挨拶と商談。
午後には滋賀・近江八幡からバスに乗って、蒲生郡日野町まで行く。

 

ここに、古代小麦ディンケル(ドイツ名、英名はスペルト小麦)
を育てた人がいる。
国内で初めてディンケル小麦を商業用として栽培に成功させた
麦から育てるパン屋さん 大地堂」の廣瀬敬一郎さんだ。

20150703大地堂①

収穫直前を迎えたディンケル畑。
日本ではどうしても収穫期と梅雨が重なるために、
赤さび病などの病気が出やすくなるが、ディンケルは強い。
問題は雨に濡れることによる穂発芽だ。
全量穂発芽させてしまった年もあったと聞く。

すべての穂(実)が同時に適期になることはない。
天と地を見つめながら判断を見極める、大事な時を迎えている。

20150703大地堂②

現在のパン小麦は、長い長い年月、人間の意図によって
改良に改良を加えられて今日まできたものだが、
ディンケルはその原種にあたる麦である。
9000年以上前にヨーロッパで栽培されていたという記録があり、
旧約聖書にも登場するらしい。

殻が厚く、病害虫に強い。
しかし収量が低く、脱穀に手間(コスト)がかかる。
原種であるため、現代の小麦とは蛋白質の量や質が違うようで、
ヨーロッパでは、小麦アレルギーの人が食べても
発症率が低いことが証明されている(グルテンフリーではない)。
デンプンの分解が緩やかなため、
食後の急激な血糖値の上昇が抑えられる、との評価もある。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、
香り高く、ナッツの風味がする。

麦秋の風景は、一般の小麦のように黄金色とはいかず、
薄茶色に近い。
こちらが廣瀬敬一郎さん。

20150703大地堂③

このディンケル小麦の栽培に、3年がかりで成功したのが2007年。
以後、年々面積を増やしてきた。しかも農作業は一人でこなす。

2000年にコンピューター関連の仕事を辞めて郷里に戻り、
農業を始めた新規就農者だが、だんだんと認められるようになり、
廣瀬さんに田を貸す人が増えてきている。
進む高齢化と米価の暴落は、さらに拍車をかけることだろう。
「荒らすことなく、この地区一帯を麦畑の風景に変えてみますよ」
と抱負を語る。

面積を増やしながら、ディンケル小麦で経済的に成り立たせる。
その課題を優先する廣瀬さんは、
「有機への挑戦はその先」だと言う。
有機だとどうしても面積が限られてしまうし、
ディンケルの栽培技術も安定させたい。
現在のところ、除草剤一回と殺菌剤一回は計画に入れている。
その判断は尊重したいと思う。

20150703大地堂④

こちらがヨーロッパ特注の石臼粉挽き機。
これを使って、熱が上がらないように気を遣いながら、
ゆっくりと製粉する。

挽き上がった全粒粉のディンケル小麦。

20150703大地堂⑤

この古代小麦を使って、いま試作中なのが、
COBOさんの自然発酵乳酸菌EPSを使った、
「国産古代小麦全粒粉100%発酵バー」だ。

20150416COBOオープン③

「完成したら送りますから」
と廣瀬さんに約束して、畑を後にする。

残念ながら、古民家を改築して開いたというパン屋さんには
立ち寄れなかったが、
それはまた今度の機会とさせていただき、一路函南に。

長い付き合いになりそうな古代麦・ディンケル。
今年の収穫前に何とか立ち会うことができた。

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