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エビちゃん日記
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いやはや、慣れない社長業に右往左往しております。
銀行や法務局に行ったり、年金事務所に呼び出されたり(悪いことはしてません)・・・
おまけに大地を守る会のHPでの連載(大地ヒストリー)
に苦しんだりしながら、ブログにたどり着けない日々です。
連載が終わるまでは、週1本が限界でしょうか。
とか言いながら、その連載もいったい何話まで続くのか。。。
どうなることやら、すでに “ 神のみぞ知る ” の境地。
でもって、7月2日(木)は午後から大阪に出張。
まるで逃げるように電車に飛び乗る。
夜、NPO法人「グレインズ・イニシアティブ」代表の山本朝子さんと会い、
打ち合わせや情報交換を行なって、大阪に一泊。
翌3日(金)は、京都にある自然派通販会社「プレマ」さんを訪ね、
ご挨拶と商談。
午後には滋賀・近江八幡からバスに乗って、蒲生郡日野町まで行く。
ここに、古代小麦ディンケル(ドイツ名、英名はスペルト小麦)
を育てた人がいる。
国内で初めてディンケル小麦を商業用として栽培に成功させた
「麦から育てるパン屋さん 大地堂」の廣瀬敬一郎さんだ。
収穫直前を迎えたディンケル畑。
日本ではどうしても収穫期と梅雨が重なるために、
赤さび病などの病気が出やすくなるが、ディンケルは強い。
問題は雨に濡れることによる穂発芽だ。
全量穂発芽させてしまった年もあったと聞く。
すべての穂(実)が同時に適期になることはない。
天と地を見つめながら判断を見極める、大事な時を迎えている。
現在のパン小麦は、長い長い年月、人間の意図によって
改良に改良を加えられて今日まできたものだが、
ディンケルはその原種にあたる麦である。
9000年以上前にヨーロッパで栽培されていたという記録があり、
旧約聖書にも登場するらしい。
殻が厚く、病害虫に強い。
しかし収量が低く、脱穀に手間(コスト)がかかる。
原種であるため、現代の小麦とは蛋白質の量や質が違うようで、
ヨーロッパでは、小麦アレルギーの人が食べても
発症率が低いことが証明されている(グルテンフリーではない)。
デンプンの分解が緩やかなため、
食後の急激な血糖値の上昇が抑えられる、との評価もある。
ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、
香り高く、ナッツの風味がする。
麦秋の風景は、一般の小麦のように黄金色とはいかず、
薄茶色に近い。
こちらが廣瀬敬一郎さん。
このディンケル小麦の栽培に、3年がかりで成功したのが2007年。
以後、年々面積を増やしてきた。しかも農作業は一人でこなす。
2000年にコンピューター関連の仕事を辞めて郷里に戻り、
農業を始めた新規就農者だが、だんだんと認められるようになり、
廣瀬さんに田を貸す人が増えてきている。
進む高齢化と米価の暴落は、さらに拍車をかけることだろう。
「荒らすことなく、この地区一帯を麦畑の風景に変えてみますよ」
と抱負を語る。
面積を増やしながら、ディンケル小麦で経済的に成り立たせる。
その課題を優先する廣瀬さんは、
「有機への挑戦はその先」だと言う。
有機だとどうしても面積が限られてしまうし、
ディンケルの栽培技術も安定させたい。
現在のところ、除草剤一回と殺菌剤一回は計画に入れている。
その判断は尊重したいと思う。
こちらがヨーロッパ特注の石臼粉挽き機。
これを使って、熱が上がらないように気を遣いながら、
ゆっくりと製粉する。
挽き上がった全粒粉のディンケル小麦。
この古代小麦を使って、いま試作中なのが、
COBOさんの自然発酵乳酸菌EPSを使った、
「国産古代小麦全粒粉100%発酵バー」だ。
「完成したら送りますから」
と廣瀬さんに約束して、畑を後にする。
残念ながら、古民家を改築して開いたというパン屋さんには
立ち寄れなかったが、
それはまた今度の機会とさせていただき、一路函南に。
長い付き合いになりそうな古代麦・ディンケル。
今年の収穫前に何とか立ち会うことができた。
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