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エビちゃん日記
- 生産者・産地情報

暦では立秋を迎えても、まだまだ猛暑でしょうか。
皆様、残暑お見舞い申し上げます。
さてと。。。
あっという間に月日が経っていきますが、
8月6日(木)の報告を。
この日は午後に会社を出て東京に向かい、
夕方、新宿で商談を一本やって、池袋に移動。
新しくできた「WACCA IKEBUKURO」5階にある
キッチンスタジオLupeにて、
大和川酒造店主催による
「郷酒を楽しむ会」に出席した。
「郷酒」(さとざけ)。
これは大和川酒造店会長・佐藤彌右衛門さんによる造語である。
「地酒」屋を自称する以上、地元のコメにこだわりたい。
会津の酒蔵である以上、会津のコメで日本酒を醸し続けたい。
そんな哲学を表現したかったのだろう。
一般的に、地方の蔵で造られた酒を地酒と呼ぶが、
その原料はその土地のコメとは限らない。
ましてや全国の酒蔵が目標とする「全国新酒鑑評会」で
金賞を受賞する酒は、その多くが
兵庫県産の「山田錦」という酒造好適米を取り寄せて造られている。
彌右衛門さんは、そんな業界の常識に真っ向から刃向かった。
「会津産の山田錦で金賞獲ってやる!」
僕が福島県須賀川市・稲田稲作研究会の伊藤俊彦さんと、
「俺たちの酒を作りたい」と
初めて大和川酒造店を訪ねたのが1993年の春。
当時まだ専務だった佐藤芳伸さん(現・彌右衛門会長)は、
すでに隣村の熱塩加納村で山田錦の栽培にチャレンジしていた。
晩生の品種である山田錦を雪の中で刈り取りした
といった話を、笑いながら語ってくれた。
東北では無理と言われた山田錦の栽培から始め、
あえて北限の山田錦で金賞に挑んでやる。
これが大和川酒造の “ 地酒屋の意地 ” だった。
僕と伊藤俊彦さんがオリジナル日本酒を造るにあたって
「大和川酒造でやろう」と一致したのも、
そんな矜持(きょうじ)に思いを重ねたからに他ならない。
夢が叶ったのが5年前。
その時、彌右衛門さんは世間の地酒とは一線を画そうと、
「郷酒」という新しい呼称を金賞酒につけた。
そして受賞のお祝いパーティは「郷酒を楽しむ会」となった。
以来、5年連続の受賞である。
あっぱれ大和川! と叫ばずにはいられない。
これが金賞受賞酒。
大吟醸「彌右衛門」(やえもん)。
ラベルにはさりげなく、星が五つ並べられている。
「楽しむ会」では、
喜多方出身のマジシャン、ケン・ダニエルさんのマジック・ショーや
「にほんしゅ」という利き酒師コンビの漫才などをはさみながら、
たくさんの人がそれぞれに大和川酒造への思い入れを語った。
僕も突然指名され、出た言葉が
「22年前、あまたある蔵元の中で、
大和川酒造に大地を守る会の酒をお願いしたい、と乗り込んだ
自分の目に狂いはなかった!」
って、お祝いじゃなくて自慢話じゃないか、これじゃ。
・・・でもホント、間違いじゃなかった。
3.11後の大和川酒造の取り組み、彌右衛門の怒涛の走りは
半端じゃなく、あれよあれよという間に全国区へと躍り出し、
「全国ご当地エネルギー協会」設立へと至るのである。
旨い酒は他にもあるだろうが、
僕はこういう人たちとともに、ポリシーを語れる酒を飲みたい。
彌右衛門会長から紹介されるスタッフの面々。
右から彌右衛門さんの長男・雅一さん。
社長になった元工場長(杜氏)の和典さん(彌右衛門さんの弟)。
杜氏を継いだ二男の哲野(てつや)さん。
自社田・大和川ファームの責任者、磯部英世さん。
実は大和川での酒造りの一年が映画化されるそうで、
その映像の一コマが映し出された。
カッコよすぎるぞ、哲野杜氏。
振り返れば、最初の金賞受賞は2011年の6月。
大震災の傷も生々しいところに届いた歓喜の一報だった。
あれから5年連続。
郷酒ファンにとってはすっかり “ 我が自慢の酒 ” である。
大和川イコール私、みたいに。
脱原発を宣言し、自然エネルギーに邁進する蔵として
メディアのみならず様々な業界から注目を浴び続ける佐藤彌右衛門。
「悪さができなくなっちゃったよ、エビちゃん」
と笑いながら、眼は「まだまだ行くぞ」と語っている。
いいんじゃない。
突っ走れ、ヤエモン!
て感じでしょうか。
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