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エビちゃん日記
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「佐渡トキの田んぼを守る会」メンバーの田んぼを巡る。
最初は斎藤真一郎会長の自然栽培のほ場。
2年前と同じ田んぼだが、明らかに様相が違う。
素人目でもイネの姿がよく、実もしっかり入っている。
草も少なくなっていた。
「イイじゃないですか!」と思わず口に出る。
『奇跡のりんご』の人、木村秋則さんの教えを受けて
チャレンジしたのが4年前。
「3年目が一番ひどくて、4年目から良くなっていくと聞いてたけど、
まさにそんな感じですね」と斎藤さん。
2年前はどうなることかと内心不安も覚えたが、
着実に手ごたえを感じている様子である。
まだ試験的な段階ではある。
1枚が2反(20アール)以下の田んぼで、
水が確保できる場所に限定している。
これから安定していくかどうか見極めながら
面積を増やしていく意向のようだ。
自然栽培と言っても、何もしないわけではない。
代かき2回、草取りも竹ぼうき除草(竹ぼうきを長い熊手のように
組み立てて株間を歩いて草を浮かせる、チェーン除草の竹ぼうき版)
を3回、それに動力除草機を1回入れる。
手はかけるのだ。
しかし農薬と肥料は一切使わない。
化学肥料・有機肥料を問わず肥料なしで、
どうして稲が毎年安定して育つのか、長く疑問とされてきたが、
微生物含めた生物相が豊かになることで、
彼らがチッソの供給源になっている、ということが
突き止められてきている。
誰か研究者がタイアップして、毎年の土壌成分の変化を
解析していってくれないものだろうか。
1年目・2年目・3年目・4年目・・・の実証データが、
ここでは取れるのに。
次が大井克己さんのほ場。
こちらは農薬・化学肥料ともに5割減の特別栽培。
「長畝生産組合」という農事組合法人を組織して、
84ヘクタールという面積を、
減農薬から始めて無農薬の田んぼを増やしていってる。
地域全体にトキと共生する農業を広めていくために
多様な取り組みがあって、
それが佐渡米のブランドを育てていくことになる。
JA佐渡では今年3月、「JA佐渡米憲章」を発表し、
米にはネオニコ系農薬を使用しないことを宣言した。
こういう流れにトキの復活がひと役買っていることは間違いない。
この意味はけっこう深い。ただの鳥ではないのだ。
ここで矢田徹夫さんとお別れ。
小谷さんと一緒の、記念の一枚をねだる。
矢田さんとの約束は、忘れないからね。
続いて平野部のほ場へ。
ふたたび齊藤さんのほ場。
これが江(え)。
畔の内側にもうひとつ畔を作り、
トキの餌となる小動物が繁殖する水場を確保する。
そのぶん米の生産量が減ることになるし手間もかかるが、
トキと共に生きることを選択した以上、
彼らが暮らせる環境を整えてやらなければならない。
こちらは佐々木治巳さんの自然栽培ほ場。
コナギがびっしりと生えていた。
「ヤバくないすか?」と聞けば、
意外や泰然として、佐々木さんはこう答えた。
「収量は減っても、農薬・肥料や手間などのコスト削減と
自然栽培米としての価値(価格)が維持されれば、
採算は合うと考えてます。」
「米の消費量が減っていく中で、収量を目指すのはナンセンス。
むしろしっかりと消費者に支持される米作りをしたい。」
佐々木さんは一気に自然栽培の面積を増やしている。
理工系の大学出だという。らしい思考だと思った。
案内をいただいた3名の生産者。
左から大井克己さん、斉藤真一郎さん、佐々木治巳さん。
田んぼを回っていたところで、
オオーッ!という歓声が車内で上がった。
いたよ、いるじゃないか!
農道でたむろするトキをみつけた。
トキを驚かせてはいけないので、ゆっくりと近づく。
けっこう感動もんのシーンだった。
イネを植えずビオトープにした田んぼの畔にも、
行儀よく並んでくつろいでいた。
サギも一緒に、ごく自然に仲良く。
何羽かが飛び立った。
慌ててシャッターを押すも、ピントがずれた。
こちらはスタッフの平田智紀職員が撮ったもの。
合ってるね。 ちょっと悔しい。
トキの飛翔を眺め、いっときの感動に浸る。
しかし何でこんなに感動するんだろう。
じっくりと考えてみたい。
トキとも出会えて満足した一行は、
いったん宿に戻り、再び出発する。
目的地は島の南端に近い小木港・城山公園。
ここで世界的な和太鼓芸能集団「鼓童」による野外コンサート
「EARTH CELEBRATION 2015」が
3日間にわたって開催されていて、
せっかくの機会なので車を飛ばして聴きに行った。
木崎神社の受付け前にはすでに大勢の人が並んでいた。
人気のほどがうかがえる。
会場内は撮影禁止なので、ここまで。
港の先にある小さな半島の山の上に設けられた屋外ステージ。
いつの間にこんなに人が入ったのか。
この夜は、
バリのガムラン楽団「スアール・アグン」が招かれ、
鼓童と競演した。
なんて贅沢な時間だろう。
大地を揺らすかのようなガムランと太鼓の響きに体も昂揚してきて、
まさに「佐渡で地球はひとつになる」瞬間を堪能した。
余韻を引きずったまま、
寝不足だったことも忘れて、さらに宿で杯を挙げる。
しかも明日は朝食前に、
6時出発で棚田見学のオプションから始まるという
過激なスケジュールである。
こんなに書いてもまだ1日分。
終わんないよ・・・続く。
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