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エビちゃん日記
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弱音と言い訳を吐きながら続けてきた本ブログですが、
前の「大地を守る会の~」から勘定して、
ついに1,000本の大台に到達しました。
2007年6月29日に2本の記事をアップしてから、
職場の移籍で3ヶ月の休眠期間を挟みつつも、
苦節9年にしてやっと1,000本。
なかにはただのお知らせ記事もあるけれど、
いろんなテーマを取り上げては、
それなりに思いを入れながら書いてきたつもりです。
ひとつの山を登り切ったような感慨もなくはない。しかし、
見れば眼前にあるではないか、もっと高い山が幾つも・・・
「お前はまだまだ登り切ってなどいない!」
- と、そんな声も聞こえてくるのであります。
ここはアスリートにならって
「いえ、まだ通過点ですから」と見栄をきって、
新たな気持ちで前に進みたいと思います。
で、1,000本目の記事。
2年ぶりにやってきました、福島県喜多方市山都町。
10年前と全く変わらない風景が出迎えてくれた。
「本木上堰(もときうわぜき)春の堰さらい」。
このボランティアがGWの定番になって10年。
2年ぶり9回目の出場。
去年は函南から出られず寂しい思いをしたが、
今年は「何としても行かねば」の思いで車を走らせた。
差し入れ用に、フルーツバスケット自慢の
「アップル&キャロットジュース」(カート缶)を積んで。
5月3日10時、職員と会員の方を乗せ、浦和を出発。
東北道では激しい渋滞に遭い、磐越道を経由して、
喜多方市・大和川酒造店に立ち寄ったのが夕方4時過ぎ。
ここで大地を守る会オリジナル純米酒「種蒔人」を調達。
こちらは「種蒔人基金」からのカンパとなる。
(注‥お酒を飲みながら水と米を守る活動に貢献しようと、
種蒔人(たねまきびと)1本につき100円を基金として積み立てています。
キャッチフレーズは
「この酒が飲まれるたびに水が守られ、田が守られ、人が育つ」。)
現地に到着するや、まずは温泉で汗を流し、
「前夜祭」という名の交流会に突入する。
しかし、いきなり乾杯というワケにはいかない。
ビールに日本酒、山菜など里山料理を前にして、
「本木・早稲谷 堰と里山を守る会」事務局長、大友治さんによる
レクチャーを受ける。
江戸時代中期、1736年から11年かけて、
山のひだに沿って掘られた全長6㎞の水路。
雪どけ水を受け止め、ゆるやかな勾配を流れるうちに
水はぬるみ、麓の田を潤してゆく。
江戸時代の土木技術の高さを立証する貴重な遺産であり、
280年にわたって人々によって守られてきた
現代(いま)も生きる水脈だ。
「堰」(せき)と言えば小さなダムをさすことが多いが、
会津地方では、このような水路を堰と呼ぶ。
この上に集落はなく、上流にはブナの原生林が広がる。
生活排水や農薬等の影響を受けず、
モリアオガエルやトウホクサンショウウオなど
希少な小動物も生息する、森からの賜物。
これを当たり前のように維持し、暮らしを営んできた
この地の人々の知徳と節度に、脱帽する。
しかし現代文明の波は容赦なく襲ってくる。
若者は都会に出て年々人は減り、
限界集落とまで呼ばれるようになって、
地区住民だけでは維持するのも困難になってきた。
そこでかつての仲間にボランティアを呼びかけたのが、
ここに新規就農者として移り住んだ浅見彰宏さんである。
それが17年前のこと。
以来ボランティアは増え続け、今年は49名の参加があった。
堰の役割や守ることの意味を語る大友さんもまた、
新規就農者の1人である。
地域の価値が “よそ者” によって再発見され、
新しい形で継承されようとしている。
これは日本の未来の姿を示す、
一つのモデルのようにも見えてくる。
約30分のレクチャーを受け、場は交流会となる。
ここの棚田で収穫された米を、
浅見さんは「上堰米」と名づけ、お酒も造った。
その「上堰米の酒」と「種蒔人」に
獲れたての山菜料理。
これだけでも来たかいがあったと思わせる至福の時。
加えて地元の方やリピーターたちとの再会、
新しい人との出会い。。。
楽しい夜はあっという間に更けてゆくのだった。
寝袋の中で、ぼんやりと考えた。
この価値をどう伝え、守っていけばいいのか・・・
答えはきっと作業の中にある。あるはずだ。
もしかして、それを見つけたくて、
毎年来ているんじゃないか、お前は。
まあとにかく、明日の朝は早い。寝なくちゃ・・・
そして5月4日、堰さらい当日の朝。
すみません、今日はここまで。
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