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エビちゃん日記
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5月4日、午前5時45分起床。
宵っ張りの朝寝坊(夜型人間)で生きてきた自分が、
不思議とここでは自然に目が覚める。
朝ごはんの用意をして(お運びだけ)、
お昼用のおにぎりをつくって(見守るだけ)、
朝食を済ませ(食べるのは一人前)、
身支度して、いざ出陣。
天気予報では午前中は雨とのことだったが、
これくらいなら問題ない。
我々早稲谷(わせだに)班は総勢20数名。
上流の取水口から下ってゆき、
下流から上ってくる本木班と合流したところで
作業は終了する。
一日の流れと作業上の注意を説明する
浅見彰宏隊長(右端)。
「二人ほど特別部隊に入ってもらいますが、えと‥」
4年前のベトコン作業が頭をよぎり、
ドキッとしたが、幸い若者が指名された。
ちょっと寂しいような・・・
ボランティアたちは
軽トラの荷台に乗って護送され、
早稲谷川の取水口に到着。
川を渡り、作業を開始する。
あとはひたすら、浚(さら)う作業。
途中々々で、珍しい植物を見れば写真を撮ったり、
あるいは山菜を採ったり、
みんなそれなりに楽しみながら前進する。
今年は雪が少なかったせいで潰れた所もなく、
でかい倒木の処理がひとつあったくらいで、
作業的にはおそらく
今までで一番楽な年だったように思う。
体が作業を覚えてきたこともあるかもしれない。
多少の土砂があっても
「ここは(やらなくて)いい」と
地元の人がスルーしていく勘どころは、
今もってつかめないでいるが。
作業を終え、麓(ふもと)に下りる。
この風景を支えているのは、水だ。
風景とは、生命のネットワークの姿でもある。
美しい風景は、安定している。
その土地に適正な数の人がいて、
あたり前の “ 無償の共同作業 ” が成り立てば、
国土も暮らしの土台も守れる。
そんなことを、この国の為政者たちは忘れている。
すべてが経済(金)だけで回っているかのように、
勘違いしている。
おかげで随分と金のかかる(必要な)世の中になった。
お金で解決できないことがたくさんあることも、
みんな知っているのに。。。
作業を終え、打ち上げ。
心地よく疲れた体に、ビールと豚汁がうまい。
例年通り豆腐が一丁振る舞われたが、
定番だったサバの水煮缶は出なくなった。
サバ缶の謎(なぜサバ缶なのか)は解けぬまま・・・
堰さらいが教えてくれていること。
この作業が果たしていることは、
農水省と国交省と環境省と文科省にまたがる
国家安泰の手仕事なのだ。
安全で美味しいコメの安定供給。
国土保全、洪水防止、水の涵養。
生態系と生物多様性の維持。
子どもたちへの食育と環境教育の場。
(ここで獲れた米はいくらであろうとけっして高くない。
補助金を出して地元の学校で食べられるようにすべきだ。)
しかし村の人々は、補助(税金)など求めず
この価値を維持し続け、
そしていま静かに消えていこうとしている。
劣化の速度を増しているこの国で、
会津山間地の小さな水路保全に
若者ボランティアが絶えないことは、希望である。
僕はそれを確かめたくて来ていたのかもしれない。
堰がつなぎ守っているものが、今年もあることを見たくて。
リフレッシュと少々の罪ほろぼし感と、
酒呑みの本能をないまぜにしながら。
「上堰米のお酒」4合1本で、
1畳分の棚田が守られます。
日本酒を愛する者なら、
これくらいの気概を持って飲んでほしい。
税金も払ってるんだから、
政府広報にいかがでしょうか。
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