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オーガニックコットン・綿摘み体験

2017/11/18
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オーガニックコットン・綿摘み体験

次は11月4日(土)。
福島・いわき市への日帰りエコツアーに参加した報告を。

主催はアウトドア・ウェアのトップブランド「パタゴニア
&オイシックスドット大地(以下O.D)、そして
エコツーリズムの旅行会社「リボーン」による共同企画。
リボーンさんが用意した貸切バスは、
廃食油を再生(リボーン)させたBDF(バイオディーゼル燃料)で走る
通称「天ぷら油バス」である。

目的地は、小林勝弥・美知さん夫妻が営む農園
「いわき夏井ふぁーむ」。久々の訪問となる。

僕が最後に夏井ふぁーむを訪ねたのは4年前の11月
原発事故に加えて、畑は津波による塩害で苦しんでいた。
その塩害対策に、有機でも使える資材を届けたりした。
有機JAS認証を取得した矢先の震災だったので、
何とかして農業を続けてほしいと願って、
大地を守る会の「震災復興支援基金」に応援を頼んで
調達したものだ。

結局、他の仲間は新天地を求めて去っていったが、
小林夫妻は「ここで頑張る」と残られた。
当時は障がい者も受け入れて一緒に農作業をやっていたのだが、
支援活動を辞退される決断をしていた。
「こんど地震や津波が来たら、もうあの子たちを助けられない」
と言われた言葉が今も脳裏に残っている。

あの時、僕は初めて綿の畑というものを見せてもらった。
震災復興の一環として栽培に取り組んでいた。
利益など出ないことは承知で、
希望を模索していたんだと思う。

その小林夫妻のオーガニックコットン畑での
ワタ摘み体験である。
昨年の収穫ツアーには関野吉晴さんも参加されていて、
行けなかったことに悔しい思いをした。
「今年こそ!」と意を決して参加を申し出たのだった。

 

朝7時15分、東京駅集合。
気合いが入っているのか、眠くない。
パタゴニア、O.D、リボーンそれぞれの関係者を乗せて、
天ぷら油バスは7時半出発。
総勢40人くらいか。リピーターの方もけっこういた。

約3時間強の道のりを経て、
「いわき夏井ふぁーむ」のコットン畑に到着。

現地でのコーディネートとワタ摘みの指導は
「ふくしまオーガニックコットンプロジェクト」を
運営する「いわき おてんとSUN企業組合
代表の吉田恵美子さん。
お隣が小林勝弥さん。

しっかりと開いたワタを選んで、
やさしくつまんで引くときれいに取れる。

指導を受けながら、ワタ摘み開始。

ワタの花はオクラに似ている。
アオイ科なんで、
ハイビスカスやフヨウに似ているという人もいる。
ただし花が咲くのは一日だけ。

花が実となり、
その実が膨らんで、

はじけると、中から綿毛が顔を出す。
これがコットンボール。

ワタの中にはタネがある(正確には種の毛がワタ)。
ワタとは、子孫を保護する覆いなんだ。
しっかり開いたものは、本当に、
つまんで引っ張るとスポッと取れる。
タネを抱いて、新天地を目指すところで
「いただきます」、みたいな感じ?

いやまあ、ここで感情移入する必要はない。
人に摘み取られることで、種(しゅ)が繁栄する可能性を
広げているのかも知れない。
したたかな植物の生存戦略!・・があるかどうかは
分からないけど、小麦と一緒で、
ヒトが都合よく品種改良したつもりでも、
麦はヒトを使って陣地を広げている、
という解釈も生物学者の間では存在するのだ。

摘み取ったあとの殻も、形が整っているものは
小物や装飾などで活用できる。
「イイやつは採ってください」の指示もあった。

いいの見つけたぁ!
はい、ポーズをお願いします!

体験は楽しい。
でも、プロはそうはいかない。

畑で、勝弥さんから
「コットンは今年で終わりにします」
と告げられた。
栽培ステージが他の野菜とかぶるので、
草取りとかに手が回らない。それに・・・

「そろそろ野菜で勝負しないと・・」

そうなんだ。。。
野菜で勝負! いいじゃない!
一瞬は驚いたけど、
本道に戻れるところまで来たってことだ。

なんか申し訳なさそうに言う勝弥さんだったが、
ここまでのプロセスを知っている人たちは、
みんな「よかった」と口をそろえる。
コットン畑はちょっと減っても、
これまでの活動によって有機農家が一軒、
完全復活を目指して前に進もうとしている。
それこそみんなが欲しかった喜びでもあるのだ。

勝弥さんとのツーショットを
大地のスタッフに取ってもらう。

何だか、、カタいね二人とも。

収穫したコットンを集める。

ゴミなどを取って、ようやく原料となる。
これはこれで感動なんだけど、
やっぱどう考えても割に合わない作業だと思う。

みんなで記念撮影。

夏井ふぁーむ・小林夫妻の
5年におよぶ有機コットン栽培の軌跡を、
僕は想像することができないけど、
けっして儲かることのないワタ栽培が、
お金に換算できない貴重な財産を
二人に残したであろうことは、確信できる。

立ち去る前に、畑に感謝。

来年は「夏井ふぁーむ」ブランドの野菜を、
頼むぞ。

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