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エビちゃん日記
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おきたま興農舎(山形県高畠町)から、ラフランスが届いた。
興農舎のラフランスと言えば、
横山陽一さん、木村明夫さんといった名前が浮かぶ。
立木ではなく、棚を仕立てて
たくさんの葉に陽光を浴びさせる栽培方法。
だれにも負けない果実を実らせるために、
あるいは木々と一体となって喜べる自身の生きざまを確認するために、
彼らは手間を惜しまない。
一個の値段に笑顔を見せたり怒ったりしながらも。。。
こういう農家を見るたびに僕は、
日本のモノ作りの原点は “ 農 ” にあると思ってしまうのである。
実は彼らの営みを支えるのは、
流通-小売りの一方的的流れだけではない。
必ず何割かは(年によってはたくさん)出てしまう
流通上の規格に合わないもの、
あるいは自身のプライドではじいたもの、
それらをきちんと価値あるモノに再生させる加工という受け皿が、
今ふうに言うなら “ 寄り添う ” 形で存在することによって、
社会の食の在り様は健全に機能するのである。
しかしそんな言葉は今や、ただのきれいごととして
鼻で笑われる時代になってしまった。
年々おかしくなっていく気候や暮らしの多様化は、
ますます健全な加工を求めているというのに。
加工屋が加工屋として存立するためには、
生産者のことなんか考えてられない、なんていう
倒錯した時代にあって、
今年もこの工場では、横山さんたちのラフランスを
当たり前のように引き受けるのである。
この健全さを、僕は今まで語れてなかったような気がする。
え~本日、製造1課はラフランスのシロップ漬けです、
と朝礼での簡単な報告。
毎年のことです、という感じで。
自分も白衣を着て、現場に入ることとした。
丁寧に水洗いして、半分にカットして、
種と芯と傷んだところを除き、皮を剥く。
すべて一個一個、手作業で進める。
僕も1時間ほど芯抜きの作業を体験させていただく。
熟練のパートさんたちは黙々と、時に
ご当地ネタや家族ネタで盛り上がったりしながら、手を休めない。
社長だけは孤独で、いや経営者という厳しい目で、
「最近ペース落ちてないかあ」とか気を揉むのであるが。
150㎏のラフランス、皮むき終了。
カットされたラフランスを、
ブリックス(糖度とほぼ同じ意味)30度のシロップに漬け、
ほんの少々のレモン果汁を加えて、
ボイル・殺菌する。 加熱95℃30分。
「ラフランスのシロップ漬け」の完成、です。
しかしこれはまだ商品ではない。
作られた50数瓶のシロップ漬けは製造2課に回される。
2課とは「ムーラン・ナ・ヴァン」という屋号を持つケーキ工房で、
これから各種の創作ケーキの原料として、
その生命を持続させるのである。
横山さんたちがいろんな思いを託したラフランスの旅は、
まだ終わらない。
「美味しかった」の言葉を聞くまでね。
いや、その言葉がおきたまの畑に帰るまでだ。
つながりを切らない加工屋でありたい。
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