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エビちゃん日記
- あんしんはしんどい日記
- 丹那牛乳&酪農王国オラッチェ
台風11号、12号、14号、15号・・・
4週連続で週末に台風の影響を受けた日本列島。
15号では静岡県に記録的大雨をもたらし、
土砂崩れによる死者が出たほか、
静岡市内では大規模な断水という事態も発生した。
そんな台風ラッシュの中でも、
収穫を待つ丹那盆地の稲は、何とか持ちこたえている。
あともう少しだ、頑張れ~ って感じ。
いっぽう、ここ「酪農王国オラッチェ」はついに
めでたく「建国」25周年を迎え、
9月23~25日の3日間、記念となる「王国祭」を開催した。
まだコロナは収束したわけではないので、
少々控えめな規模でのお祭りではあったけれど、
じつに3年ぶりのリアル・イベントである。
しかしせっかく準備したささやかな感謝祭も、
やってきてくれたのは人ではなく、雨台風の15号。
3日目の25日(日)になってようやく快晴の空が現れ、
(まあそれなりの)賑わいを見せてくれた。
土砂崩れなど災害がなかったことを、とりあえずは安堵しつつ。
動物たちも、人出が多いほうが嬉しいようである。
もちろん目的はエサだろうけど。
しかしここではニンジンを目の前にぶら下げて走らせるのではなく、
食べてもらってヒトが喜ぶ仕掛けになっている。
酪農王国の権力構造はかなり微妙なバランスの上に成り立っているのだ。
自然素材でのジオラマづくりに、
コーンハーベスターの展示。
別な場所では、試乗できるトラクターも展示され、
子どもたちにウケていた。
スマホをかざす親たちにポーズを決める姿を見ていて、
カウボーイの衣装も用意してあげるとイイかも、と思ったりして。
温室内では、このイベント限定での
チョコレート味のソフトクリームも振る舞われた。
動物小屋では、牛の乳しぼり体験が人気。
子どもたちは間近に見る牛の大きさにビクビクしながら、
軽く絞るとピュッと飛び出してくる真っ白なお乳に、歓声を上げる。
君もいつか「いのちって何だろう」って考える時がくる。
その時には、その手の感触を思い出してほしい。。。。
慣れない手つきで絞られるのは不安も伴うはずだが、
暴れもせず、優しく見守る牛は立派である。
このところ、乳しぼり体験を担当しているのは、
穏やかな性格の「ふじ子ちゃん」。
酪農王国では、「社長さん」が汗を拭きながら走っているのは見かけても、
誰一人として「国王様」を見た者はいない、ということになっている。
いったい国王は誰なのか?
どこに住まわれて、どんな暮らしをなさっておられるのか、
知る人はいない、と。
しかし、ふじ子ちゃんは知っているのだ。
ここ丹那では、誰が王様なのかを-
その王様はけっして私利私欲におぼれたり、ウソをついては
開き直ったりしないことも、そして子どもたちが大好きなことも-
王国25周年ということは、
我がフルーツバスケットは設立35年という計算になる。
「丹那」という地にお世話になって35年。
僕はいま、荒れていく周囲の里山を眺めながら、
この地に何がしか、「お礼」の跡を残したいと思っている。
大地を守る会との提携で誕生した低温殺菌牛乳は、
工場都合によって、やむなく40年弱の歴史で終わってしまったけれど、
フルーツバスケットは、もとは酪農家たちも出資して
創られた会社であり、いまも「丹那で生きている」のだ。
酪農王国オラッチェとフルーツバスケットは、
都市との交流によって産み落とされた兄弟のようなものである。
まだまだ永く、ともに丹那を支える企業であり続けたいと、
台風一過の空を見上げ、改めて誓う。
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