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メンマで「ふるさと給食」

2023/06/12
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メンマで「ふるさと給食」

今日は、地元・丹那にある町立丹那小学校を訪ねてきた。

1年生から6年生まで全校児童55人という、
日本の地方のあちこちにあるような、
少子化・人口減少に悩む典型的な小学校の一つである。

 

ここでこの日、
伊豆の里山めんま」を使った学校給食が実現した。
しかも生徒さんと一緒に給食を食べて、
メンマ開発の由来など話をしてほしい、という依頼が入ったのだ。

 

きっかけは、
1月のブログでもちらっと紹介した、
学校の「総合的学習の時間」を使ってメンマの開発から竹林の問題まで
調べてくれた生徒さんの発表である。
おかげで、土屋貴俊校長先生と話す機会も生まれ、
「ぜひ実際に生徒さんに食べてほしい」とお願いしたところ、
給食の素材として使ってくれることが決まったのだった。

本当に実現するとは、正直思ってなかった。
これこそ自校方式での学校給食の強みだろう。

メンマだけでなく、函南名産のスイカにトマト、丹那牛乳製品など
地元産の食材を使った「ふるさと給食週間」企画の
トップバッターとして登場。
この日のメイン・メニューは「あんかけチャーハン」。
チャーハンの上にかける「あん」にメンマが仕込まれている。

 

正午前に到着(徒歩で5分くらいの距離)。
先に到着していた地元新聞の記者さんの取材に対応しつつ、
ランチルームに案内される。

今日は学年ごとではなく、3・4・6年生で一緒に給食を食べ、
フルーツバスケットの社長さんからお話を聞くという設定となっていた。
組み分けの理由はよく分からないが、
全員入るだけのスペースがないため、分けたとのこと。
1・2・5年生は教室で食べながら、リモートで
私の話を聞くという設定だ。

 

上級生がリードしながら、みんなで運ぶ。

3学年一緒ということで、少々時間がかかったが、
少人数の良さなんだろうか、みんな仲がイイ感じだ。

 

丹那小学校は、今年から、希望すれば学区外からも入学できる
「小規模特認校」として認定された。

函南の、町の子?(標高250mの丹那盆地から見れば「下の子」?)
も何人か、少人数のほうが合っているとか、自然豊かな環境で学ばせたい
という親御さんの思いから入学してきたり、
あるいはいじめに合った子とかの編入も受け入れている。

この学校の、これからのチャレンジを見守りたい。

 

配膳が終わり、全員で「いただきます!」。

僕も一緒に「いただきます!」。

普段そうやって “ 感謝して ” 食べることなくなったなあ、
と反省しつつ、手を合わせる。

あんかけチャーハンに韓国風サラダ、丹那ヨーグルトに丹那3.6牛乳。

 

チャーハンにメンマ入りのあんをかけて、いただく。

優しい味で、美味しい!

子どもたちに感想を聞くと、
「おいしい!」「わたし、メンマ好き」と
口々に答えてくれる。
見たところ、食べ残しはほとんどなかった。

嬉しいねぇ、ホント。
この感じ、つくった者のみが味わえる喜びか。

 

新聞社の取材に答えるのは、メンマと竹林について調べた
鳥屋咲七(とりや・さな)さん、6年生。
左は土屋校長先生。

 

みんなが食べ終わった頃合いで、
お話しタイムに入る。

「えびすだに社長」では覚えてもらえないような気がして、
恥ずかしかったけど、思い切って
「エビちゃんと呼んでください」とやってみた。
少々の歓声、ちょっとはウケたか・・・

 

フルーツバスケットの紹介に続いて、
メンマをつくろうと思った理由について語る。

・竹林が荒れてきている。何かできないかと思ったこと。
・国内のメンマはほとんど中国産であること。

こんなに資源があるのに輸入に頼って、
いっぽうで竹林はどんどん放ったらかされていって、
災害リスクが高まり、獣害も増えていってる。

昔はいろんな生活用具に竹が使われていたけど、
ほとんどプラスチックに変わってしまい、
今度は逆にプラスチックによる環境汚染が問題になってきている、
そんなことにも触れた。

製造工程について簡単に説明し、
アミノ酸や保存料など使ってない無添加食品であることも
忘れずに付け加える。

 

あとは生徒さんからの質問に答える。

出た質問は
「開発にあたって苦労したことは何ですか?」

味付けや製造方法での苦労話を期待されたかもしれないが、
率直に「入口」と「出口」の話をした。

「入口」とは、原料確保のための課題解決。
農家に原料となる若竹を伐って出荷してもらうための交渉であり、
「じゃあやってみようか」と思ってもらえるだけの条件提示。
(大人向けに言えば、インセンティブの設定ということになるか。)
実際に、これこそがキモだったのだ。

「出口」とは、販売である。
売れないと持続できない。 毎年々々、タケノコ掘りと一緒に
若竹も伐ってもらって、竹林がきれいになっていくために、
「エビちゃんの使命は、いっしょうけんめい売ることです」。

ちょっと生々しかったかしら・・・
でも、これが本音だからね。
製造工程や味付けは、
ミヤハラフーズさんと遠忠食品さんというプロをつなげた段階で、
出来上がったようなものだったし。。。

 

最後の15分は、咲七さん考案のクイズ大会。

メンマについての真面目な質問の間に、
「えびすだに社長は何と呼ばれていますか?」
というのが用意されていた。

1番- エビ
2番- カニ

もちろん全員正解。 タコ と呼ばれなくてよかった。

 

ランチルームの窓から、
覆いかぶさってくるような竹林が見えた。

 

 

土屋校長先生は、この竹やぶの状態を心配している。
ちゃんと伐ってやらないといけないとも思っていて、
竹を使って、子供たちと一緒に何かできないかと考えている。

そこで僕が用意したのは、「竹灯籠」(たけとうろう)というやつ。
最近は「竹あかり」とも称され、あちこちで人気上昇中である。

見本も持参して、子どもたちにも見てもらった。

反応は、まずまず。
さて、どんなプロジェクトが生まれるか、生まれないか。
これからのお楽しみである。

こちらとしても、できる限りでのバックアップを約束した。
実はすでに、竹林整備の指導者も、
竹灯籠など木工指導できる人も、用意はできている。

小学校の児童が地域に与えるインパクトを、
ぜひともこの目で見てみたいと思う。

 

なお、丹那小学校のHPでもレポートされてますので、
見ていただけると嬉しいです。

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