• あんしんはしんどい日記
• 日々日々フルーツバスケット

フルーツバスケットは目下、
みかんジュースの季節。

すでに書いたように、この時期は、
自社ブランドのジュースを搾るより、
他社や農業団体・農家からの依頼による、
いわゆるＯＥＭ（他社ブランドの製造）のほうが多い。

今年もまた、製造日程が満杯で、
依頼をお断りしたケースも複数発生した。

お断りした依頼先の方々には、
お力になれず本当に申し訳ありません。
重ねてお詫び申し上げます。

 

製造スタッフには、
休日出勤もお願いして製造にあたっている。
気持ちよく来てくれるパートさんたちには、
感謝しかない。

しかし、感謝する一方で
悩ましい問題も抱えることになる。
そうしたらそうしたで、結局どこかで
パートさんを休ませなければならなくなるのだ。

お国の命令による最低賃金の改定にしたがって、
パートさんの時給もその（わずか）上を目指して
毎年上げてきたが、いわゆる
「１３０万の壁」（夫の扶養内ってやつ）は
そのまんまなので、結局、
パートさんの収入総額は壁に張りついたまま、
そのぶん休みが増え、
企業は人を補充せざるを得なくなる。。。

どうもお上は、壁を上げるのではなく、
非正規雇用者にはイヤでも壁を突破させて、
（手取りは減っても）社会保険に
加入させようとしている、というのが
我が社のセコい社長の見立てである。
文句があれば「もっと働けばいいでしょ」
という恫喝（どうかつ）も想像できる、と。

しかし、それでいいんだろうか。
このカラクリはおかしくないか・・・

壁の見直しも検討されてるようだけど、
やっぱ賃金アップとセットでやってもらーないと、
こっちは矛盾が増すばかり、なんですッ！
政治家先生にはどうか、ヤクザまがいの
パーティ券販売で懐を肥やすことなんかに
血道を上げてないで、
あるべき社会政策をガチで議論してもらいたい。
お前様は誰から給料もらってるんだ、えぇ、コラ！
コチとら必死で（税金）払ってるぞ、クソッ！

 

いや、失礼。
ついお下品な物言いをしてしまいました。
そんな話をしたかったんじゃないんです。

そう、みかんジュースで忙しい、という話だ。

一件でも多く期待に応えようと、
無理ムリ土曜日にも製造を入れ込んで、
何とか、この方の依頼も受ける。

１月２７日（土）、以前にも紹介した
熱海の「オーガニックボックス」さん
（杉本夫妻）が、
今年もポンカンをもって、やってきた。

「量が少ないと単価が上がって厳しいですよ」
という当方の嫌味な忠告をモノともせず、
夫婦そろって、爽やかな笑顔で、
「今年も皮むき、やりまーす」と、やってきた。

 

製造の様子はすでに
「オーガニックボックス」さんのブログに
アップされているので、そちらに譲るとして、
読めば、杉本夫妻も内心は
量の少なさを気にされていたことが窺える。

「来年はもっと増やせるよう頑張ります」
と言って帰られたが、無農薬・自然栽培では、
まあさほど増えることはないだろう、
と思ってる。　面積が増えない限りはね。
元々、いたずらに収穫量を増やすことが
目的ではないし。
何よりも、その味と安全性、
いやもっと深く潜んでいる価値が、
損なわれてはならない。

 

そして、僕には見えるような気がするのだ。
いずれ、こういう人たちと、
食と環境を大事にする人たちのネットワークによって
農業（食の生産）は再生するだろうと。

これは「暮らしの豊かさ」を創り直す
ムーブメントの、ほんの一端なのだ。

その受け皿は、ここにある。
そう言える力を、もっとつけていきたいと思う。