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楽しいタケノコ掘り、いや「竹林研修」です。

2024/04/30
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楽しいタケノコ掘り、いや「竹林研修」です。

4月25日(木)、
『伊豆の里山めんま』の販売に
ご協力いただいている
「パルシステム生協静岡」の
理事さんたちが、研修目的で
丹那にお見えになられた。

近くは地元・函南から、
遠くは浜松から
(同じ県内でも浜松は東京より遠い)、
理事さん10名(1名欠席)、
職員2名、計12名の参加。

研修テーマは
「竹林の現状視察とタケノコ掘り体験」。

こう書くと、はは~ん、
タケノコがお目当てだな、と
邪推する日本人のなんと多いことか。
違います。

荒廃と拡大が並行して進む
日本の竹林の現状を学び、
竹林を適正に管理するための
間引き作業を体感してみよう、
という趣旨。
そう、これはこれで
立派な林業体験!なのであります。

ただし、素人の作業なので、
掘ったタケノコは販売には回せず、
すべて各自で持ち帰り、
責任をもって処理していただく
ルールとする。

タケノコは春の味覚の王者とも
言われるが、
今どきの人々はどうも、スーパーで
水煮を買う派が主流になって、
新鮮なタケノコから調理することを厭う。

大きな鍋でアク抜きから始めるなんて
やってらんない・・というのが
当世事情なのだ。
(と嘆く私も、まあやらないけど。)

そこで参加者には、
最後までやり切っていただくために、
アク抜き用の米ヌカも
用意させていただいた。

つまりは、
掘ったものを「ちゃんと食べきる」
までが、竹林と付き合う作業なのである。

ただ楽しいだけの研修ではないことが、
お分かりいただけただろうか。
(すべて楽しい、と思うなら、
 それはそれで結構です。)

 

-とまあ、
くどい能書きはこの辺までとして、
10時15分、
酪農王国オラッチェ駐車場に集合して
研修会のスタート。

現地に行く前に、
簡単なレジュメを用意して、
竹林の現状と課題などについて
レクチャーする。

竹の種類・性質、
日本での竹林面積と拡大状況、
暮らしの様々な場面で活用されてきた
竹が、里山の放置とともに荒れ始め、
利用されなくなり、
今では食用タケノコの国内シェアは
わずか17%(8割以上が輸入)
にまでなってしまったこと。

竹林の荒廃と拡大は、
生物多様性の劣化や獣害の増加を招き、
土砂災害リスクを増大させていること。

そんななかで今、
資源としての有用性が見直され、
新たなタケの利活用が広がりつつあること
(メンマもその一つ)。
竹はまた、環境保全型農業にも貢献する
力があること、などなど。

 

サクッと要点をおさらいしたところで、
車に分乗して現地に向かう。

現場ではすでに、
竹林の持ち主である杉本善子さんが
唐鍬(通称「トンガ」ってやつ)など
用意して待っていてくれた。

掘り方など説明して、
タケノコ掘り作業に入る。
参加者の6割ほどが
「やったことある」という方々で、
そこはさすが静岡と言えるか。

 

“ 掘り ”  を実演する杉本善子さん。

 

あとは各自、実践あるのみ。

40分ほどで
一人3~5本ほど掘り終える。

中には、市町村指定ゴミ袋の
「大」サイズを持参して、
袋いっぱい確保した猛者理事もいた。
サンタクロースかエビス様みたいに
背中に担いで、
「ご近所におすそ分け」と、
ご満悦。
何本掘っても一人500円、
しかも米ぬか付き。

あまり手取り足取りで補助する
必要もなかったので、
つい僕も4本ほど掘ってしまった。

 

掘り終えたところで記念撮影。

「予定より多く掘らせてしまって、
 500円じゃ足りないですね」
と謝ったところ、
「いや、これで(竹林も)少しスッキリしたで、
 こっちこそ感謝ですよ」
と善子さんは笑ってくれた。

聞けば、体もだんだんきつくなってきて、
掘り切れんようになってきたと言う。
農協に出荷する農家も、
毎年々々減っていっている。

こうやって竹林は荒れ、
タケノコは輸入され、
災害リスクが高まっていく。
これがいまの “ 我が国土 ” の姿である。

戦争できる国にしたい政治屋や、
「国のために死ねるか」とか問う
威勢のいいウヨクの方々には、
まずは足元を耕せ、と言いたいところだ。

 

おっといけない。
話を戻して、
この日はもう一人(いや夫婦一組)、
助っ人を頼んでいた方がいる。

昨年7月、「土壁工法」の話
紹介させていただいた、
一般社団法人「やおろず舎」
柳沢琢美さん(下の写真右端の方)。

なんと紹介するのが適切なのか、
よく分からない。
畑も田んぼもやれば、
様々な自然体験のワークショップも
開いていいる。
森林整備に竹林管理、
メンマもつくれば竹細工も教えたりする、
自然体験のインストラクターというより、
ボク的にはサバイバリストのような方。

傾斜のある山林で、クワも使うので、
技術指導だけでなく安全管理の面からも
ヘルプをお願いした。

そして一緒に来てくれたのが
おつれ合いの「きむらようこ」さん
(上の写真・右側の笑顔の人)。

中医薬膳指導員の肩書を持つ
料理家で、「HACHINA」という
料理教室を主宰している。
加えて、東京にいたときから
10年来のパルの組合員というから、
絶好のゲストである。
ここでは、
タケノコのアク抜きのコツや
調理法などお話しいただいた。

おまけに何種類か試食用の料理まで
持参していただいて、
これでは用意した薄謝では済まない
格好になってしまった。

お二人には、この場を借りて
お詫びとともに感謝申し上げたい。

 

研修を無事終え、
段取りにいくつか反省点も残したが、
これでまた一つのプログラムが
引き出しに追加された。
改良させながら
完成度を上げていきたい。

パルシステム静岡様。
来年は組合員向けの企画で
いかがでしょうか。

 

いったん解散をした後、
オプションで、
オラッチェの地ビール工房
の見学(外からだけど)を
セットした。

説明するのは、
オラッチェのスタッフ・石井さん。

パル静岡さんでも
単協独自の取り組みとして扱って
頂いている「風の谷のビール」。

日本初の「有機認証」を受けた
地ビールです。

 

さて、予定外に、
一人暮らしでは食べきれない量の
タケノコを持ち帰ってしまった
ワタクシ。

偉そうなことを言ってしまった手前、
やるしかない。

遠慮して米ヌカをもらい損ねたので、
大根おろし(の汁)でのアク抜きに
トライしてみた。

ひと晩置いて、翌26日。
かつおぶしをまぶして
土佐煮ふうに。

いや、美味いじゃないか!
我ながら、よくできたと思う。
いややはり、新鮮なうちに
下処理したのが良かったのだろう。
春はやっぱ、タケノコだね。

引退したら竹やぶを借りて、
本気で竹林再生に
取り組んでみようかと
夢見た夜だった。

 

最後に、気になったことが一つ。

杉本さんの竹林に何本か、
花が咲いていた竹があったことだ。
柳沢さんが発見した。

竹は、花が咲くと枯れるという。

改めて周辺の竹林の様子を
眺めてみると、
枯れつつあるようなスポットが
目に入ってくるようになった。

しばらく注意して、
変化を見たいと思う。

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